コーヒーの価格と品質


昨日に続き今日は投機目的がもたらす品質低下です。

投機筋で買い叩かれたコーヒーは
1杯450円の「キリマンジャロ」コーヒーを飲む場合、3.45円が生産者の取り分、6.46円が生産国の取り分となっているに過ぎない。コーヒーの真の品質(消費者が求める有用性)は、味と香り、すなわち香味で決まる。そしてその香味は一般的に、 7割が生豆、 2割が焙煎、 1割が抽出に依存していると言う。生産国で7割の「使用価値」が付されるのにもかかわらず、生産国の取り分は上記のように1.44%に過ぎないのであり、いかに生産者・生産国にとって不当な価格形成がなされているか、実感することができよう」(『コーヒーと南北問題』189頁)

この通りの状況で買い叩かれたコーヒーは生産性重視で品種改良され種だけを生産し、それでも生産は追いつかず原価割れし、品質低下につながりました。

これは国内で近年たて続いて起こった食品の偽装問題で同じようなことがいえるのではないでしょうか?

あまりに価格に走ったため、コストダウンの限界がきてしまい偽装に走る。

まだ嗜好の問題で一部ではありますが、コーヒー業界は変化してきました。

市場価格に振り回される生産者の存在、時代背景から消費国側も危機感を持ち適正価格で高品質コーヒーを買い付ける必要性が求められるようになりました。

それが当店の扱っているスペシャルティコーヒーです。卸価格にして約2倍〜3倍は違います。

ですが、まだ現状は厳しいと思っています。

当店のように商社や生豆問屋から仕入れていると解るのですが、コーヒー豆は2次流通、3次流通があたりまえで業者が間に入っている状況です。

今では自家焙煎店が集まって生産者からダイレクトに買い付けるという方法をとっているところがあります。

この場合だと生産者も商社に買い叩かれずにすみます。

本来なら品質の高いものは適正価格で買うものだと思います。

「安ければ良い」こういう価値判断もあっていいと思いますが、コーヒーの魅力はやはり香味です。ですが買い叩かれ香味まで失ったコーヒーに魅力があると思えません。

コーヒーを通してしか語れませんが、このブログを見て「物の価値」を1度考えてもらえると幸いです。

生豆の価格


生豆の価格について書いていきたいと思います。これはコーヒーの品質の上でもとても重要なことでお客さんにも関係のないことのようでも実はとても関係の深いことです。

今日は基本的な価格の決定について書きたいと思います。

コーヒーの価格は基本的には需要と供給で成り立ちます。アラビカ種はニューヨーク定期市場でカネフォラ種(ロブスタ)はロンドン定期市場での価格がベースです。

ですが豊作が見込まれる場合は価格が下がり、生産国の政情不安、天候による減産が見込まれる場合は価格が上がります。

また、先進国の投機によっても影響を受け、需給のバランスと関係なく価格が変動します。

少し退屈な内容かもしれませんが、価格が品質に及ぼす影響、そしてみなさんにどういう具合に届くのか書いていきたいと思います。

缶コーヒーpart4


この缶コーヒーはカフェインレスコーヒーを使用しているようですね。

日本ではあまり馴染みのないカフェインレスコーヒー(デカフェともいう)ですが、欧米では需要が多く市場で30%程度を占めています。

どうもカフェインには悪いイメージがあってカフェインレスというコーヒーが重宝されているのでしょう。

でもどうすればカフェインを含んだコーヒー豆からカフェインを抜けるのか。

その方法として有機溶媒による抽出、水による抽出、長臨界炭酸ガスによる抽出が挙げられます。内容については長くなり、難しくなるので書くのは控えさてもらいます。

最後に1つ憶えていて欲しいことがあります。それはカフェインの効用は4・5時間しかもたないということです。

よく眠れなくなるという事をいいますがずっとカフェインの効用がもつことはないのでご自身が寝られる時間を考えてコーヒーを楽しんでください。

こだわりの道具part5


これは焙煎室に設置している温湿度計です。

焙煎をすすめていくうえで、僕の大事にしているポイントがあります。

まずは焙煎機を加熱し釜全体をあたためていきます。

それから本焙煎を行っていくのですが、そこから重要なのが釜の設定温度と温度上昇率です。

温度上昇率を見るのに目安として使うのが温湿度計なのです。

気温で豆に伝わる熱が違いますし、湿度で豆の含水率が変わり煎り具合も違います。

そしてそれらを参考にしつつ豆のはぜる音、香り、色具合を見て煎りあげていくのです。

こだわりの道具part4


コーヒーの味を決めるうえで「豆の品質」「焙煎」「抽出」があるのですが、その中で僕の最も個性が出せる「焙煎」を手助けしてくれる道具がこの焙煎機です。

焙煎機にはいろいろな種類があり大きく3タイプに分かれ直火式、半熱風式、熱風式があります。

最後の熱風式は主に大手ロースターが使用するもので1度に何十キロkg〜何百kgという豆を約5分という短い時間で焼き上げるという大量生産が可能な焙煎機です。

他の2タイプの焙煎機が主に僕たちのような自家焙煎のお店で使われている焙煎機です。

当店が使用しているのは直火式のものですが、焙煎機を選ぶのはとても難しいものです。試すことも出来ませんし、かといって気に入らないから買い換えるというわけにもいきません。

また専門の本などを読むと何の根拠もなく「半熱風にしなさい」など書いてあることがあります。しかし有名な人が書いていたから信じるというのはしてはいけません。

これは本を書いた人の否定をするわけではありません。
プロである以上自分の中に判断基準がないとまともな味は造っていけないのです。

そこで僕が焙煎機を選ぶうえで何をしたのかといえば、とにかく他店の豆を買いまくるということです。

そこで他店の焙煎機のタイプを聞いておいて、豆を味わっておいしいと思うものをチェックするという方法です。

そうするとどんどんデータを作っていくうちに自分の目指す味の方向性が決まり、焙煎機も自ずと決まってくるのです。

そして僕は香味が強く出せる直火式の焙煎機を選びました。

こだわりの道具part3


抽出の道具で最もこだわっているのがこのドリッパーです。

以前の僕はドリッパーで味の違いがでるのかも疑わしく思っていました。

ですが元来道具を集めたりするのが好きなので、ドリッパーも3つ穴式、円錐式、1つ穴式、素材のちがう陶器製、プラスティック製のものなどだいたいのものは試してみました。

もちろん好みによりますが僕はこのメリタのプラスティック製で1つ穴のものを選びました。

選んだポイントはプラスティック製というのが最大の理由です。

上の画像をみてもらうとドリッパー内に線が無数にありますよね。

それらをリブと呼ぶのですが、この高さが陶器製と違い高くつくられているのです。

このリブの影響はとても重要で、ペーパーフィルターをセットするとプラ製のドリッパーとの間には少し空洞ができます。

それによって抽出がスムーズに行われ、クリアでおいしい成分が抽出されます。

反対に陶器製はフィルターとの間に空洞が出来ず、注湯をした時に抽出液がなかなか落ちず、粉に湯が触れる時間が長くなり、苦味、エグミが一緒に落ちていき、にごりの感じる味になります。

さらに3つ穴、1つ穴、円錐これらの違いでも抽出液の味はとても違いがでてきます。

みなさんも興味があれば試してみてください。

追悼 三沢光晴さん

昨日僕にとって衝撃的なニュースがありました。

プロレスリング・ノアの社長でありレスラーの三沢光晴さんが試合中にバックドロップを浴びせられ意識不明になり、そのまま帰らない人となりました。

僕がプロレスを愛するきっかけになった初代タイガーマスク。そしていつもあこがれて見ていたタイガーマスクの2代目を背負ったのが三沢光晴さんだった。

強烈なエルボー、タイガードライバー、タイガースープレックス、本当にかっこ良かった。

残念でなりません。

慎んで冥福を祈ります。

こだわりの道具part2


今日も僕のこだわりの道具を紹介します。

これはみての通り温度計です。そしてその隣が温度計を保護するカバーです。

周知の通りこの温度計は抽出時に正確に温度を測るために使用しています。

ちなみにコーヒーは65度〜85度においしい成分が溶け出し、80度〜95度にもっとも香りの成分が溶けやすいのです。

ですから当店はいつも85度にあわせて抽出を行うようにしています。

こだわりの道具part1


今日は僕のこだわりの仕事道具を紹介します。

これは僕が使用している「ユキワ」製のドリップポットです。

この道具選びのポイントは一般的なポットよりもステンレスがとても厚いのが特徴です。

ステンレスの厚さが抽出時に湯が冷めていくのを防いでくれます。

さらに取っ手もなじみ持ちやすいです。

また、細口でよいのですが微細な湯の落とし方が少し難しいので自分で口の先を絞りカスタマイズしています。

ですが、ステンレスが厚いためとにかく重いので、女性にはおすすめ出来ません。

しかも約15000円と高価なので一般の方には少し負担かもしれません。

ですが僕の仕事を支えてくれているパートナーです。

好評ですプロヴィデンシア農園


グアテマラ プロヴィデンシア農園を発売して約10日ほど経ちますが、おかげさまでとても好評です。

ほろ苦く、コクの深いコーヒーで飲めば飲むほどはまります。

まだ飲まれていない方はぜひお試しください。