親友からの電話

仕事が終わってゆっくりしていると、電話が鳴りました。

携帯の画面をみると、親友Kの名前がありました。

Kは現在東京に住んでいて、メールでのやり取りはあるものの、話するのは1年半ぶりです。

「何だろう?珍しいな」なんて電話に出て、話しているとまあ他愛もない話でしたが「たまには声を聞きたくてね」という。

Kとは高校時代のラグビー部の先輩後輩関係でKが1つ上の先輩です。それ以来なので約20年という付き合いになります。

体育会系の1つ上というと、とにかく怖い存在でとても隔たりがあって「友達」なんて考えられないのですが、Kは怖い先輩方とは違いいつも優しく接してくれていました。

そして、家も近いこともあって部活が終わって家に帰る時は一緒に帰っていました。

とにかく居心地が良くてずっと一緒にいたので、いつしか先輩後輩の関係を越えていつしかKだけにはタメ口で話すようになり親友となりました。

Kはラガーマンとしてとても優秀で愛媛県代表にも選ばれているのですが、3年生が引退し、2年生と1年生だけの新チームで向かえる新人戦の朝、当時の僕は補欠なのでゆったり過ごしていたら監督から「拓郎今日お前で行くぞ」というではありませんか。

「???何で僕が?」と思っているとKが「拓郎悪いね、俺試合に出られないわ」

「はぁ!?」と僕。

するとKが校則違反である「バイク乗ってるの見つかちゃったよ」というではありませんか。

何の準備もせず、当たり前のように県代表に選ばれているKの代わりなど出きるわけもないので、試合ではガチガチになってしまいボロボロになってしまいました。

こんな最悪な思い出もありますが、Kは僕の人生の中でも影響力を持った人で、Kはファッションセンスが頭抜けていたので、彼は当時バイヤーを目指していて僕はファッションデザイナーを目指していました。

今はそれぞれ違う道を選んでいますが、Kが1年先に高校卒業してロンドンにファッション関係の留学をしていたので、僕も卒業旅行でロンドンに行きました。

海外旅行が初めてで、色々なハプニングもあってとても良い思い出です。

本当に思い出の多くを共有しているかけがえの無い存在です。

まあ、いつもと変わらない他愛もない話で30分ほど話して終わりました。

普段はメールでやりとりをしていますが、文のくくりは「いつも会える日を楽しみにしています」とお互いが書いて締めています。

男同士で気持ち悪いでしょう。

でも本心なのです。

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