焙煎の個性

ある新規のお客さんが来店してくれて、対応させてもらっていたとき「お好みの味はありますか?」と聞くと、そのお客さんは「キリマンジャロが好きです」と答えられたので「では酸味系の味が好みですね?」と返しました。

すると「いえ、コク深い味わいが好きです」答えられたので、「なるほど」と思いつつ、コクも酸味も味わえるタイプの豆とコクの強い豆を勧めさせてもらいました。

通常のキリマンジャロの味わいとしての特徴は「酸味」です。

ただ焙煎によって味わいは違ってくるのです。

僕の焙煎の流儀は「豆の個性を活かす」ことに重きを置いています。

ただ焙煎というのは決まった正解のないもので、そのお店の焙煎士が考える好みによって仕上げられています。

ですから、酸味が特徴的なキリマンジャロでも、深く煎って酸味よりもその他の味わいを引き出したいと考えて焙煎している方もいるのです。

その焙煎士が煎った豆の味わいにお客さんが付いていたら、それはそれで一つの正解なので良し悪しではないのです。

ですから「この豆はこうだ」と先入観にとらわれず、色々なお店の焙煎士が煎りあげたコーヒーを楽しんで頂きたいものです。

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