焙煎度の嗜好

先日「シナモンローストの豆はありますか?」と訪れくれたお客さんがいました。

僕は思わず「???」

一瞬絶句して「うちにはハイローストからしかありません」と答えました。

シナモンロースト、ハイローストとは焙煎度の深さのことで、焙煎度は浅い方からライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンの8段階に分かれます。

通常の場合ライト、シナモンの浅いローストは渋み、酸味が強く残っていて飲むことはないのです。

お店をして7年になりますが、「深いローストの豆を下さい」と求めるお客さんはいても「シナモンロースト下さい」と浅いローストを求められることはなかったでビックリしてしまったのです。

僕は「自家焙煎のお店では豆の個性があまり出ないのでなかなかシナモンローストの豆はみつかりにくいと思います」とお伝えしたら「そうなんです。実はネットで探しても見つかりませんでした」と言われていました。

僕は個人的に興味が沸いたので「なぜシナモンローストが好みですか?」と聞くと「実は両親に飲ませてあげたくて」と言われたので、ハッとしてそういうことかと気づいたことがありました。

さらに深く聞くとやはり「コーヒーが認知症に良いと聞いたので」とお客さん。

実はカフェインの素であるトリゴネンが認知症に良いのです。コーヒーはトリゴネンを多く含む飲み物です。

ただこのトリゴネンは熱と共に減少していくのでそのお客さんは浅煎りを指定されたのです。

コーヒー屋をしていてこのような健康作用が発見されることはとても嬉しいことです。

ただコーヒーに限らず何でも、過ぎたるは猶及ばざるが如しだと思います。

程良い加減で健康、嗜好にと楽しんで頂きたいです。

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