焙煎から見るサードウェーブコーヒー

サードウェーブコーヒーの代表であるブルーボトルコーヒーが日本に上陸して、3店舗を出店しました。

最近コンビニコーヒーやブルーボトルコーヒーの話でお客さんと盛り上がる事が多く、色々な質問を頂きます。

なかでも焙煎について「なぜサードウェーブコーヒーは浅煎りが多いの?」といただきます。

正直浅煎りばかりの焙煎については僕には分かりませんが、共通して押している焙煎方式は「熱風式」です。

焙煎方式は主に3種類に分かれます。

火を直接的に当てる「直火式」。当店で採用している方式。いわば網で直火焼きをするようなものです。

火は直接当たらない「半熱風式」これはフライパン調理のようなもの。

最後に「熱風式」。これはオーブン調理のようなものです。

どれも個性があり特性があります。

サードウェーブコーヒーで主に用いられている熱風式の特性は直火式とは違い全体的に均一に火が通りやすく、熱を伝える効率が良いのです。

そのため大量生産に向いています。UCCやキーコーヒーといった大手ロースターはすべてこれです。

サードウェーブコーヒーの熱風式の採用理由を聞くと、「火が直接当たらないので焦げにくく、そのためクリアな味が出る」といったものです。

正直これにはびっくりしてしまいます。

焦げにくいという理由については当店の直火式で煎っていても焦げるということが、これまでの8年間で一度もありません。

火が直接当たっていても、豆の入っているドラムが連続的に回転しているので焦げるということはありません。

また、焦げるというのは炭化なので、その温度帯まで火を入れることが無いのです。

コーヒー豆が茶褐色になっているのは炭化ではなく、メイラード反応とカラメル化反応です。

メイラード反応とは糖類がアミノ化合物との成分間反応をせずに単独で加熱によって起こり、カラメル化反応は糖類だけが加熱反応する現象で焦げる(炭化)とは違います。

このカラメル化は約180度の温度帯で反応が起こり、コーヒーの甘味とはこのカラメル化反応をいかにうまく反応させるかで決まります。←成分としては甘味はありません。

メイラード反応は豊潤な香りを出すためには欠かせない化学反応です。

この基本的な化学反応を知っていて、焦げる焦げないを言っているのかはわかりませんが、熱風式(オーブン)でも長時間熱を加えると炭化し、いわば焦げとなるのです。

料理やお菓子作りをしたことのある方であれば、経験のあることだと思います。

まあ少し専門的に書きましたが、メディアでの露出が多い大手のチェーンが間違った情報を流すと怖いものです。

ちょっとサードウェーブコーヒーに噛みついてみました。

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