今日午前、永谷脩さんが68歳で亡くなられたとネットのニュースで知りました。
永谷脩さんといえばスポーツライターで、特に野球の記事を書くことが多かったです。
僕も永谷さんの本を何冊も読破していて、なかでも『120キロの快速球』文藝春秋はとても好きな1冊でした。
この本は阪急のエースだった山田久志選手の引退までを描いた物で、エースピッチャーである山田選手が全盛期を過ぎ体力の衰えを感じながらも野球界で戦っている様や、とても繊細な精神性が永谷さんの取材力で事細かに書かれていました。
鮮明に覚えているのが山田選手が引退を実感した場面が書かれていたところです。
投手は球を投げていると利き腕の中指、人差し指にマメが出来るのですがこのマメのコンディションを変えると投球が狂うので、プロに入って引退するまでの20年間お風呂に指を浸けることがなかったそうです。
そして、引退をした日にお風呂に指を浸けたとき涙が溢れた。と
このエピソードが記されていて、投手という生き物はなんて繊細なんだと衝撃受けました。
語られることの無い選手の本音や、記憶に残る試合の裏側を徹底した取材で、赤裸々に書かれた本にいつも楽しませてもらいました。
ご冥福をお祈りします。