スペシャルティにこだわる理由

僕のお店はスペシャルティコーヒー専門店です。

スペシャルティコーヒー?まだこの言葉を知っている方は少ないと思います。

これは無理のない事です。コーヒー業界の人間でも知らない人が多いのが現状なのですから。

僕の印象ではスペシャルティコーヒーという言葉を知っている人は5%未満だと思います。

このブログでもよくスペシャルティコーヒーについては書いています。

ですが、これからもスペシャルティコーヒーの魅力、存在意義について皆さんにお伝えしていくつもりです。

僕がスペシャルティコーヒーにこだわるのには理由があります。

理由を述べるうえで重要なスペシャルティコーヒーの成り立ちから書きたいと思います。

まずコーヒー豆の現状は

先進国がコーヒーを、相場に連動した安い価格で買い叩く
   ↓
生産国は、コスト削減のために大量生産にのみ力を注ぐ
   ↓
低品質のコーヒー豆が出来上がる
   ↓
低品質のため先進国でコーヒーが売れなくなる
   ↓
先進国がコーヒーを、さらに安く買い叩く    
   
というように、悪い連鎖になっています。そして現在最も流通している豆です。この豆をスタンダードコーヒーといいます。

そこで、この悪い連鎖を切るために
高品質なコーヒー豆を生産していく考えが1980年代にアメリカで出来上がりました。

それが、スペシャルティコーヒーです。

スペシャルティコーヒーは生産地域、品種、農園、精製方法にこだわって作られているのが特徴です。

おいしい米を思い出していただくと分かりやすいです。

例えば

新潟県産魚沼産(生産地域)

コシヒカリ(品種)

天日干し(精製方法)

とうようにこれらがおいしさの指標となっています。

また、スペシャルティコーヒーは相場に左右されず、生産コストに応じた相場より高い価格で取引されます。(スタンダードより最低でも1.5倍は高い。)

生産コストが価格に反映するので生産者はこだわった栽培ができるようになります。

そして、当店のような「おいしいコーヒー」をお客さんに伝えたいと思っている焙煎店が「おいしいコーヒー」を求めるお客さんに届けることが出来るのです。

コーヒーを生産する人、おいしいコーヒーを求める人の両者にとって良いのです。

これが1番の理由です。

くどくなりましたが、僕の想いです。

コーヒー豆のパック包装について

今日コーヒー豆をお買上いただいたお客さんから持ち帰る際のパックについて要望をいただきました。

そのお客さんは和みブレンドを500gお買上いただいたのですが、「粉に挽いて半分づつパックに分けてください。」とおっしゃられました。

その後続けて「小分けのパックに詰めておくと香りは長持ちしますよね。」とおっしゃられたので、僕は「パックを小分けにするのはもちろん意味はありますが、何よりも豆のままで持ち帰られると香りがベストな状態に保たれますよ。」とお答えしました。

香りを保つ上で豆のまま保存が絶対条件です。

なぜならコーヒー豆を挽くときに約70パーセントの香りが失われ、さらに粉に挽いて保存すると空気に触れる量が増え劣化速度が数百倍にもなります。

そしてパック(包材)ですが、極力空気に触れさせず保存することはできても香りが逃げないということではありません。あくまで補助です。

もちろんお客さんのいろいろなニーズにお答えしていきたいと思いますので、強制的なことは言いませんが、売れるなら何でも良いとも考えておりません。ですから正しい知識はお伝えする義務はあると思っております。

正しい知識を得ていただいてから、いろいろな選択をしていただきたいと思います。

しつこいようですがコーヒーの酸味について

コーヒーの酸味。

これを聞いて「酢」のようなすっぱい味わいを連想される方が多いと思います。

当店に初めて来てくださるお客さんの中にもこの味わいを連想している方が多いのも事実です。そして「酸味が多いのはちょっと・・・。」と言われます。

ですが、試飲で出している酸味系が特徴のコーヒーを飲んでいただくと「おいしいですね。」と言ってくれます。

おいしいコーヒーの酸味はお酢のような酸味ではなく、みかんのような柑橘
類の酸味を表します。

でもなぜ酢のようなすっぱさで認識されているのでしょうか?

事実「酢」のようなコーヒーがあるからです。

これは特に一般量販店が売られている豆がそれにあたるからです。

まず量販店の豆は大きな釜で焙煎されとても短時間に仕上げます。そして煎り具合が僕のお店では出すことの無い「浅煎り」の状態で出荷されています。

この浅煎り状態の豆は酢のようにすっぱいのです。

でもなぜこの状態で大手ロースターは出荷しているのでしょうか?

それは何といってもコストダウンです。

コーヒー豆は焙煎度が深いほど水分が無くなり重量が軽くなります。

例えば生豆を1キロ焼いたとすると当店では焙煎後800gぐらいの仕上がりになるのですが、大げさにいうと大手ロースターでは900gぐらいの仕上がりになるといった感じです。

この場合もちろん売る側としては900gで仕上げる方が得ですよね。

また短時間で仕上げることによってガス代が掛からないようになります。

ちなみに当店の焙煎時間は豆によって違いますが16分〜18分ぐらいですが、大手ロースターでは5分ぐらいです。

安さを求めていく価値観も否定できるものではありませんが、コーヒーを扱う者としてとても寂しく感じます。

コーヒーに魅了された者としてコーヒーの魅力を最大限に味わって欲しいと思います。

ちなみに当店の酸味のきれいな豆はグアテマラエルピラール農園、ケニアルイスグラシア、コロンビアティピカ、コロンビアエメラルドマウンテン、モカイルガチェフです。

コーヒーの酸味。ぜひ味わってみてください。

グアテマラ インフェルト農園発売日決定しました


以前ブログに書いたグアテマラ インフェルト農園の発売日が5月12日(水)からに決定いたしました。

インフェルト農園はスペシャルティコーヒーコンペティションにおいて、2001年度、2002年度、2004年度、2005年度入賞、2006年度2008年度にはカップ オブ エクセレンス入賞と品質は折り紙つきです。

僕もテースティングしていて、複数の豊かな香りの混在、甘味、コク、酸味の絶妙なバランスは今まで100種類以上豆を見てきた中でも秀逸です。

本当にこれぞ「スペシャルティコーヒー」です。

ぜひコーヒーの魅力を凝縮した逸品をお試しください。

排気と圧力

これは焙煎機のダンパー(排気弁)という部分です。

僕の使っている焙煎機メーカーのものにはこのダンパーがあるのですが、メーカーによってはないものもあります。

実はこのダンパー操作で香味が違ってきます。

まずダンパーの役割として、焙煎機に篭る煙を排気し、焦げた香りが吸着するのを防ぐ役割、また別の役割として焙煎釜内の圧力の調整も担っています。圧力は豆の内部に均一に火を通し、うまく水分抜きをする目的を持っています。

ダンパーをどのタイミングで開け、どの程度開けるのか。この扱い方1つで火の通り方、煎り時間が違い香味のニュアンスが違うのです。

僕は焙煎をして以来「絶対この煎り方だ!」というスタイルをとっていません。

もちろん基本は抑えつつ、いつも少しづつ変えています。

現在研究しているのがこのダンパーの細かい調節です。

コクと香りとボディの出方が全然違うので奥が深くてとても面白いものです。

おそらく一般の方ではこの違いは気づかない程度だと思います。

ですが毎日焙煎してテースティングを行っていると細かいニュアンスの違いが分かって、ここにこだわりたくなるのです。

少しオタクな話になりましたが、この仕事をしていて面白いと思う1つです。

テースティング


今日はグアテマラ アディプコ農協の豆のサンプルを焙煎し、テースティングを行いました。

グアテマラは生産地域によってはっきりキャラクターが違います。

この豆はウエウエテナンゴ地区の豆で、やはりこの地区の特徴である豊かなコクが感じられる豆でした。

寸評を書いておきます。

少々スパイシーな感じがあり、またほのかにベリー系の酸味がある。コクが豊かで、ボディ感もある。

ですが、少しフレーバーが単調で面白みに欠けます。

僕としては特にウエウエテナンゴ地区の豆に注目をおいていますので、これからも積極的に同地区の豆は試して行きたいと思います。

グアテマラ インフェルト農園ブルボン種発売

以前当店で人気NO.1を誇ったグアテマラ インフェルト農園だったのですが、スペシャルティコーヒーの特性上、供給が追いつかずやむなく販売を中止していました。

が、この度数量限定で仕入れることが出来ました。

このインフェルト農園は何度もカップオブエクセレンスに入賞した実績を持ち、いろいろな香りが混在し、柔らかいコク、飲みやすいすっきりとしたカップが特徴です。

本当に「スペシャルティコーヒー」を代表するような豆です。

また、詳しい発売日はまたこちらに報告したいと思います。

コーヒーと水

この間のコーヒー教室で質問いただいた「コーヒーと水」の関係について書きたいと思います。

まず水について大別すると硬水と軟水の2つに分かれます。

これはカルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計を、炭酸カルシウムの量に換算したもので1リットルの水に100mg以上含まれるものを「硬水」、100mg未満のものを「軟水」としています。

軟水はコーヒーの成分を忠実に抽出してくれるのですが、硬水はマグシウムが多く含まれており、このマグネシウムが渋みや苦みと結合し、それらを多く抽出するため少し口に含んだ時に重ったるい感じを受けます。

僕としてはまろやかな印象の軟水がおすすめです。

また、僕の地元新居浜は平成の名水百選に選ばれたつづら淵、お隣町西条のうちぬきなど名水が豊富です。

こちらも飲み比べした事があるのですが、つづら淵は少し甘味があって柔らかい印象があるのですが、少し草や藻といったような香りがありました。

うちぬきは癖もなく無味無臭に近い感じでした。

どちらかといえばうちぬきの方がコーヒーに向いている印象です。

ちなみに僕のお店では新居浜の特徴、石鎚山系、赤石山系の地下水が豊富なのでそちらを使用しています。

コーヒー教室を終えて

今日の午前中はコーヒー教室を行ってきました。

今回の講義内容は大人気のドリップ講座でした。

お蔭様で満員御礼でしたが、お1方ずつ淹れる体験をしてもらえたので良かったです。

いつも思うことですがいかにうまく伝えれられるかを反省点としています。

僕の拙い講習にお付き合いいただきありがとうございました。

もし分かりづらい点がありましたら、店頭またこちらの方にコメントいただければ対応いたします。

本日はおつかれさまでした。

いよいよ明日です

いよいよ待ちに待ったコーヒー教室が明日になりました。

今僕の持っている知識や技術をいかにうまく伝えられるか考えています。

そしてコーヒーに興味を持っていただいて、「家で淹れるコーヒーが1番。」って思ってくれると幸いです。